1997年 谷川岳
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平成9年 個人山行記録  上越 谷川岳 (1963.2m)

東京山美会  市川 進

秋の三連休の1日を山へ行きたいと日程調整したけれども、結局、天候には恵まれませんでした。

10月11日(土) 4時30分に起床し5時に家を出て、コンビニで食料を調達し吉祥寺駅から東京駅へ向かう。

東京駅で上越新幹線6時11分発「あさひ401号」新潟行きへ乗換える。列車は座席の8割くらいが埋まっている。

上毛高原駅へは7時25分に着き、7時48分発の谷川岳ロープウェイ行きのバスに乗り換える。

バスは満員で座れなかったけれども(4人でタクシーなら値段は変わらないとのこと)、発車後に運転手の方から昨日この1番バスに乗られた方のロープウェイ待ちが2時間半位かかったとアナウンスをしてくれる。

そんなに時間がかかるようだと登る時間が無くなってしまうと思ったが仕方が無い。途中の水上駅では乗車出来ない人へ臨時のバスが出ることになる。土合駅に着く前から渋滞が始まり、乗用車で来られる人がこんなに多いことを初めて知った。

そして、25分遅れの9時20分に到着、ロープウェイはフル稼動で待ち時間は15分位で乗ることが出来た。

ロープウェイ・リフトと乗り継いで、天神峠には9時50分につき、ほぼ予定通りでほっとした。

しかし、上毛高原駅では晴れていた空はロープウェイに乗っている時には曇りから雨になり、この気温なら雪にはならないと思うけれども、出発するには気持ちを引き締めなければならない。軽く食事をしてからセーターを着て雨具を付け10時に出発。

2年前の山美会の山行では雨でここから引き返したが、今日は一人でもあり予定通り登る。

熊穴沢ノ頭の避難小屋までは稜線沿いに雨で滑りやすくなった木道のようなほぼ水平な道を歩き10時40分到着。雨は止んだがガスで見通しはない。ここから1時間半の急登が始まる。

視界が利かない中で岩尾根を滑らないように気を付けて登る。このあたりから下山者も多くなり、岩場では一方通行となる。

このルートでただ一つの鎖場(3m位)に達したが、回り込む道が有り何ら不安はない。

途中で群馬県登山指導センターの方が登山者へ雨天の西黒尾根は滑落事故が起きやすいので下山ルートに選ばないようにと指導している。(ざんげ岩の下の一枚岩が特に危険との事で、先月マチガ沢側へ200m転落した方が亡くなられたとの事)。

やがて、岩尾根の稜線が横に広がり、左側からオジカ沢と右側から西黒尾根が近づき肩の小屋も近づいたようだが、ガスは晴れずに視界は50mも無い。左右にロープが張られた中に登山道がいくつも有る。

やがて、大きな鉄塔の指導標が右に見え左側に避難小屋が現れる。

一旦避難小屋まで行き山頂の方向を確かめる。谷川岳山頂まではしっかりしたルートが有り、ほんの一登りで12時25分にトマノ耳(1,963.2m)へ到着。天気が良ければ素晴らしい展望だろうと思うが視界はなく風が強く寒い。

10分程山頂にいたが、オキノ耳から一の倉岳方面の縦走路へのルートを確認し下山に移る。

マチガ沢を左に見ながら鉄塔の指導標を目印にルートを間違えないよう気を付ける。同一ルートの往復登山ではあるが、岩尾根は登るよりも下る方が歩きにくい。

やがて鎖場を過ぎた頃に、突然ガスが切れて天神平から水上方面の素晴らしい視界が現れ、振り向くと谷川岳を仰ぎ見ることが出来た。ほんの一瞬であった。

この後も何度かガスが切れて展望を見せてくれたが、足場が滑りやすくてゆっくり眺めることは出来ない。

熊穴沢ノ頭の避難小屋へ14時に到着。5分程休憩をして歩きはじめた時、登ってこられた方がこの下で滑落事故があったとの事。やがてその場所へ着いたが、怪我をした男性の方を5人程のパーティーの方が治療を終えたところであった。

顔の丁寧な包帯を見たが、服は汚れていたけれど他に怪我はないようで言葉もはきっきりしている。治療をしていた登山者の方が病院の関係者とのことで、不幸中の幸いであった。

スリップしやすい木道が続き、やがて、天神峠と天神平のロープウェイ乗り場への分岐に着き、直接ロープウェイ乗り場へ下る。14時40分に着いたがたくさんの人が並んでいる。

最後尾の係りの人の話しでは1時間半待ちとの事でガッカリ。しかし、歩いて下りても1時間半近くかかるのでこのまま列に加わる。斜面では人工雪を作っている。結局1時間少し待ってロープウェイに乗ることが出来た。

予定通り16時10分発のバスに乗ることは出来たが、水上インターまで道路が混雑で遅れたために5分違いで上毛高原駅17時37分発には間に合わず、18時41分発のあさひ404号で帰路につく。

山美会で2年前の7月に計画し、雨のために登れなかった谷川岳でしたが、その時に歩いた一の倉沢の出会いから見た衝立岩の素晴らしい眺めを忘れられずに今回の登山となったけれども、また、天気の良い時に、いつの日かもう一度登りたいと感じました。

記:平成9年10月11日 「あさひ404号」車中にて


トマノ耳(1,963.2m)

トマノ耳(1,963.2m)


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最終更新日 : 2020/06/28
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